2025年2月27日

相続税贈与税申告で役立つ路線価格とは?

相続税や贈与税の申告、土地の評価額の算出に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
土地の評価には様々な方法がありますが、その中でも特に重要なのが「路線価格」です。
路線価格を正しく理解することで、税金計算の正確性だけでなく、財産の管理にも役立ちます。

今回は、路線価格について、その定義から調べ方、計算方法、そして相続税・贈与税への活用まで、丁寧に解説します。

 

路線価格とは何か

 

路線価格の定義

 

路線価格とは、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことです。

千円単位で表示され、相続税や贈与税の土地評価において重要な指標となります。

国税庁が毎年1月1日時点の地価を基に算出し、7月1日頃に公表されます。

路線価格は、課税の公平性を確保するために、国が定めた公的な指標です。

 

路線価格の算出方法

 

路線価格は、国土交通省が発表する地価公示価格などを参考に、国税庁が算出します。

単純に土地の面積に路線価格を掛けるだけでは正確な評価額は算出できません。

土地の形状(奥行、間口、角地など)、接する道路の数、用途地域などによって、様々な補正が行われます。

これらの補正には、奥行価格補正率、側方路線影響加算率、二方路線影響加算率などが用いられます。

これらの補正率は、国税庁が公表している資料に掲載されています。

 

他の土地評価方法との比較

 

路線価格以外にも、土地の評価方法はいくつか存在します。

主なものとしては、公示価格、都道府県地価調査価格、固定資産税路線価格、実勢価格などがあります。

・公示価格(地価公示価格):国土交通省が毎年3月頃に公表する、標準的な土地の価格です。

路線価格は、公示価格の約80%程度を目安に設定されています。

・都道府県地価調査価格(基準地価格):都道府県知事が毎年9月頃に公表する、標準的な土地の価格です。

公示価格と同様に、路線価格の算出に参考とされます。

山林なども含む点が公示価格と異なります。

・固定資産税路線価格:固定資産税の評価額を算出する際に用いられる土地価格です。

市町村が3年に1度算出し、公示価格の約70%程度です。

相続税路線価格とは算出主体、目的、価格水準が異なります。

・実勢価格(時価):実際に土地が売買された価格です。

路線価格、公示価格、固定資産税路線価格などは、あくまで標準的な価格であり、実勢価格はこれらとは異なる場合があります。

 

路線価格の調べ方

 

路線価格は、主に以下の方法で調べることができます。

・国土交通省のウェブサイト:国土交通省のウェブサイトでは、地価公示価格や都道府県地価調査価格などを閲覧できます。

これらは路線価格を推定する際に役立ちます。

・市区町村役場:市区町村役場でも、路線価格に関する情報を入手できる場合があります。

・不動産会社:不動産会社は、地域の土地価格に詳しいため、路線価格に関する情報を提供してくれる可能性があります。

また、実勢価格を知る上でも有効です。

・国税庁のウェブサイト:国税庁のウェブサイトでは、「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」として路線価図が公開されています。

これは、地図上に路線価格が示されたもので、最も直接的に路線価格を調べる方法です。

 

路線価格を用いた土地評価

 

単独路線の場合

 

単独路線に面する土地の評価額は、路線価格に地積を掛け、さらに奥行価格補正率を乗じて算出します。

奥行が深い土地は、奥行が浅い土地よりも評価額が低くなる傾向があります。

これは、奥行が深い土地ほど日照や通風の条件が悪くなるためです。

 

複数路線の場合

 

複数路線に面する土地の評価額は、単独路線の場合よりも複雑になります。

正面と側方に路線がある場合、正面と裏側に路線がある場合など、土地の形状によって計算方法が異なります。

それぞれのケースにおいて、正面路線と側方路線(または裏面路線)の路線価格、奥行価格補正率、側方路線影響加算率(または二方路線影響加算率)を用いて計算を行います。

これらの加算率は、土地の形状や立地条件によって異なります。

 

借地権の場合

 

借地権の場合、土地の評価額に借地権割合を乗じて借地権の評価額を算出します。

借地権割合は、路線価図にアルファベット(A〜G)で表示されており、それぞれ90%〜30%の割合に対応しています。

 

相続税贈与税と路線価格

 

相続税申告への活用

 

相続税の申告において、路線価格は土地の評価額を算出する上で重要な役割を果たします。

路線価格を用いて算出した評価額は、相続税額の計算に直接影響します。

正確な評価額を算出するためには、路線価図の見方や、奥行価格補正率などの補正率を正しく理解する必要があります。

複雑な計算や専門的な知識が必要となるため、税理士への相談が推奨されます。

 

贈与税申告への活用

 

贈与税の申告においても、路線価格は土地の評価額を算出する上で重要な要素です。

相続税と同様に、路線価格を用いて算出した評価額は、贈与税額の計算に影響します。

贈与税の申告においても、正確な評価額を算出するためには、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

 

税理士への相談

 

相続税や贈与税の申告は、複雑な計算と専門的な知識が必要となります。

路線価格を用いた土地評価についても、誤った計算は大きな税金負担につながる可能性があります。

そのため、相続税や贈与税の申告を行う際には、税理士に相談し、正確な評価額を算出してもらうことが重要です。

税理士は、路線価図の見方や、様々な補正方法について熟知しており、適切なアドバイスをしてくれます

 

贈与税への影響

 

贈与税の計算においても、土地の評価額は路線価格を基に算出されます。

相続税と同様に、路線価格に土地面積を乗じ、形状や立地条件に応じた調整率を適用します。

贈与税額は評価額に依存するため、路線価格の正確な理解は贈与税対策にも不可欠です。

 

他の評価方法との比較

 

路線価格以外にも、土地の評価方法として公示価格、都道府県地価調査価格、固定資産税路線価格、実勢価格などがあります。

公示価格は国土交通省が公表する標準地の価格で、路線価格は公示価格の80%程度を目安に設定されています。

都道府県地価調査価格は、都道府県知事が公表する標準地の価格です。

固定資産税路線価格は、固定資産税の評価額を算出する際に用いられる価格で、公示価格の70%程度です。

実勢価格は、実際の土地取引価格です。

これらの評価方法はそれぞれ目的や算出方法が異なり、価格水準も異なります。

 

まとめ

 

今回は、路線価格の定義、算出方法、他の土地評価方法との違い、調べ方、そして路線価格を用いた土地評価額の計算方法について解説しました。

路線価格とは、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額であり、国税庁が毎年公表しています。

路線価格は相続税や贈与税の申告において重要な役割を果たし、正確な理解が税金計算の正確性と財産管理に繋がります。

個々の土地の評価額は、路線価格に面積と調整率を乗じて算出されます。

相続税や贈与税は土地の評価額に大きく影響を受けるため、路線価格の正確な理解が重要です。

路線価格の調べ方や、他の土地評価方法との違いについても説明しました。

これらの情報を活用し、相続や贈与に関する税金対策にお役立てください。

国税庁のウェブサイトや全国地価マップなどを活用し、自ら情報を収集することも有効ですが、最終的には税理士に相談し、正確な評価額を算出することが重要です。

 

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